事業協同組合も権利義務の主体である法人ですから、当然に財産というものを持っていることになります。

もし事業協同組合が解散する際には、その残余財産はどのように処理をすればいいのでしょうか?

残余財産の分配方法について、その原則とありがちなトラブルについて説明していきたいと思います。

【1】残余財産の分配の原則
事業協同組合は、その設立の際に各組合員が出資を行い、その出資額に応じて、各組合員は「持分」という形で組合の運営に権利を行使することになります。

解散時の財産の分配についても同様で、残余財産は持分の割合に応じて各組合員に分配するのが良いでしょう。

実はこの原則ですが、法律上に明文化されたものではありません。

そのため、解散の際には組合員同士でトラブルになることも。

次に、想定されうるトラブルについて説明していきます。

【2】残余財産分配の際のトラブル例

一番起こりがちなのが、分配額に関するトラブルです。

持分比例で分配することとすると、持分が少ない組合員の分配額はもちろん少なくなります。

これを快く思わない組合員からは、人数の頭割りとすべし、という主張が出ることは想像に難くありません。

分配額でもめると解散手続きも進まず、時間と労力のロスばかりが生じてしまいます。

できることならば事前に定款において分配に関する定めを記載しておくことも予防のためには有効です。

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