多く寄せられるご質問について、以下ご説明差し上げます。
事業協同組合と株式会社等の一般組織の違いは?
主な特徴を記載致します。
事業協同組合
①設立に当って、行政庁の認可を取得する必要がある。
②税金の減免措置が多くある。
③設立手続きに時間を要する(行政庁認可の※1標準処理期間として約2~3ヶ月、登記申請の標準処理期間として約2週間)。
株式会社等の一般組織
①設立に当って、認可を取得する必要は無く、必要書類を準備すれば、自由に設立出来る。
②税金の減免措置は原則として無い。
③設立手続きに時間をしない(登記申請の標準処理期間として約2週間)。
※1 標準処理期間・・・申請書類を窓口である行政機関に提出した後に、行政機関が事務処理を完了するまでに要する期間。行政手続法という法律により、行政庁が定める期間であるが、標準処理期間の設定は『努力義務』であり、必ず定める義務は無い。また、標準処理期間を定めても、目安であるので、必ずしも標準処理期間内に処理が完了するわけでは無い。
事業協同組合の認可申請が不許可となるケースは?
資金について ・・・事業を行う上で、出資金が十分で無いと判断された場合。
事業計画について ・・・具体性を欠くと判断された場合。
組合員の構成について・・・事業協同組合の運営が、一部の組合員に独占されると判断された場合。
事業協同組合のことを規定した法律は?
中小企業等協同組合法という法律によって、事業協同組合のことを規定しています。
毎年の様に法改正が行われていますので、最新の規定を確認する必要があります。
個人事業主も組合員になれますか?
組合の定款に定めた地区で、定款に定めた事業を行われている方であれば、個人事業主の方でも組合員になることができます。
組合は定款で組合に加入できる地区と加入できる事業の種類を定めており、この2種類の条件に合致する事業者の方であれば、法人か、個人事業主かは問われません。
それ以外の場合は定款変更の手続きを取ってから加入する必要があります。
すべての事業者が加入できるように、すべての事業・すべての地区を定款に書いて設立することはできますか?
設立時点では、よほどの事が無い限り同業種で設立することをお勧めします。
複数の業種に共通する事業が非常に立てにくいからです。設立の趣旨がぼやけて認可がもらえなくなってしまっては元も子もありません。
出資金はいくらぐらいが良いですか?
特に決まりはありません。組合の事業活動を行うのに十分な金額があれば大丈夫です。
大きい事業を行うならたくさん出資金が必要でしょうし、小さい事業しか行わないなら少ない出資金で大丈夫です。組合の事業計画に見合った出資金を計画しましょう。
なお、技能実習の事業は、一般的に様々な費用が発生する事業のため、多めに出資金を用意したほうが良いでしょう。
外国人技能実習をするだけの事業協同組合を作れますか?
事業の内容が技能実習だけの組合は作れないため、必ず「共同購買(共同仕入)」や「共同受注」といった他の事業と組み合わせての設立になります。
外国人技能実習が、組合の事業単独で見た場合に必ず赤字になる事業のため、共同購買や共同仕入れで利益を出してバランスが取れるようにします。組合に常駐する事務員さんの給与や水道光熱費も賄えるように事業計画を設計します。
事業者を4つ集めればよいというので、建設業・学校法人・人材派遣会社・漁師でとりあえず集まってみました。組合はできますか?どんな事業ができますか?
どんな事業ができるか考えずに集まっても事業協同組合は作れません。最初に行き詰まる多くのパターンがこの形です。事業者同士の共通の「困りごと(※人材不足は除く)」を解決するために相互扶助を目的として事業者同士が集まり、活動を行うのが事業協同組合なので、組合の事業の主旨に沿った事業者で集まるようにしましょう。
設立にあたって、役所との面談などは発生しますか?
はい、代表の方による窓口との顔合わせが1回と、組合参加者全員に対する説明会が1回、最後に都道府県庁と代表理事による1回の面談が発生いたします。その他必要に応じて発生する場合もございます。
最後に創立総会も開催されますが、こちらも発起人と理事監事になられる方はご出席が必要となります。
組合を設立した後、加入できる業種を増やすためには?
定款変更の認可が必要です。組合は、設立も認可ですが、設立後の変更も手続きが必要です。
業種を増やす場合は特に事業計画書も作成の上で定款変更が必要になります。
発起人となる事業者のうち、いくつかの会社が、同じ社長が代表を務めているのですが大丈夫ですか?
法人として別であれば、代表取締役が同じ方でも問題ありません。
0120-717-067